【野球】もし肘、肩を故障したら?

SMCAの特別顧問でもある古島医師がオンライン取材を受けた内容をまとめました。

もし肘、肩を故障したら?名医が語る思い切ったノースロー調整が大事な事

 

1,今回の質問

徐々にチームの活動が再開し、子どもたちに笑顔が戻ったが、

一方でより強度の高い練習を行うようになり、故障のリスクにも注意を払っておきたいところだ。

そこで「Full-Count」では、野球における肩肘の障害を専門とする

慶友整形外科病院スポーツ医学センター長の古島弘三医師にオンライン取材を実施。

「教えて、古島先生!」と題し、気になる10個の質問をぶつけた。

これまでトミー・ジョン手術(肘内側側副靱帯再建手術)を約700件も担当した

日本屈指の執刀医が、分かりやすく教えてくれた答えとは……。

インタビュー動画と合わせてお届けするシリーズ、

第9問は「軽いキャッチボールで済ませるより、

肘の回復を考えたら完全にノースローの期間を設けることは大切ですか?」だ。

 

2,痛みを感じた時には既に遅い

子どもたちの中にも、肩や肘に疲れを感じる時は軽いキャッチボールで済ませる選手はいるだろう。

だが、痛みを感じた時には、思い切ってノースロー調整を行うことも大切だ。

「障害を起こしていれば、完全休養が一番早く治ります。障害がなければ、

5、6割の力で軽く投げるのが問題になるわけではない。

ピッチャー、キャッチャーの距離で軽く投げるくらいなら、怪我のリスクはないと思います。

ただ、障害を起こすのは、球数だけじゃないと思うんですよね」

 

3,障害を起こす要因

古島医師は、障害を引き起こす要因として考えられることについて、こう説明する。

「球数はもちろんですけど、球の強度、投球フォームも大事です。

例えば、悪いフォームで強く投げれば、より早く壊します。

フォームが良くてもたくさん投げれば、それでも壊す可能性はあります。

悪いフォームでも軽く投げていれば故障はしない。

数、強度、フォームはかなり密接な関係だと思います。

そこに、試合や大会という要素が絡むと、疲労度が関係するので、

いいフォームでも疲れていると怪我に繋がるんですね」

 

4,日米の違い

球数、投げる強度、投球フォーム、そして疲労度の関連性について、

日米の先発スケジュールの違い、そして陸上競技を例にとって、説明してくれた。

「日本人投手がMLBに行くと、大体1年目の後半で故障することがありました。

日本では中6日で投げていたのに、メジャーでは中4、5日で投げることになる。

たった1か月くらいだったら中4日でも怪我をしないかもしれないけど、

それが半年続くと最後の方は疲労が取れず、同じ球数を投げても負担がかかってしまうんですね。

 

5,ノースローの調整

例えば、400メートルのインターバル走で10本走ろうという時、

最初は400メートルを1分のペースで走れても、10本目に同じ体力で走れるわけじゃない。

思いきり走っても、そのペースでは走れなくなる。そういうところで頑張ると怪我をするんですね。

肘も一緒です」

肩肘に違和感を感じたら、恐れずにノースロー調整をして疲れを取ること。

それが大きな故障を避けるポイントと言えそうだ。

 

▼動画

 

 

▼引用先URL(Full-Count)

https://full-count.jp/2020/06/29/post817044/