【野球】子供たちを守るために知っておきたい指導者知識

SMCAの特別顧問でもある古島医師がオンライン取材を受けた内容をまとめました。

捕手にだって「投球制限」を設けるべき?子供たちを守るために知っておきたい指導者知識

 

1,今回の質問

投球制限という言葉が、認知されはじめている野球界。

主に投手について語られることが多いが、問題を抱えるのは投手だけではない。

野球における肩肘の障害を専門とする慶友整形外科病院スポーツ医学センター長の

古島弘三医師による連載「教えて!古島先生」第8回では

「捕手や野手の投げ過ぎにも気を付けた方がいいですか?」

という質問を投げかけてみた。気になる先生の答えは……。

 

2,活動再開に伴い注意をすること

徐々にチームの活動が再開し、子どもたちに笑顔が戻ったが、

一方でより強度の高い練習を行うようになり、故障のリスクにも注意を払っておきたいところだ。

「投球制限」という言葉を耳にする時、その対象として語られているのは主に「投手」だ。

確かに、投手は投げることが専門だが、同時に捕手や内外野手もまた、数多くの送球を行っている。

あまり数は多くないが、捕手や野手でも肘の靱帯を痛め、トミー・ジョン手術を受ける選手もいる。

投手に限らず、その他のポジションの選手も、肩肘のケアや投げ過ぎには注意した方がいいのだろうか。

 

3,多くの野球少年が悩まされていること

古島医師によると「小中学生が持つ障害のタイプは、ポジションによってあまり変わりはありません」。

多くの野球少年たちが悩まされるのが、離断性骨軟骨炎(OCD)という肘の障害だ。

まだ大人の骨になっていない肘の軟骨に、投げ過ぎなど過度の負荷がかかり、

軟骨が壊死したり剥がれ落ちたりし、痛みを発するものだ。

OCDは、一般に言う「野球肘」の代表例でもある。

 

4,投手以外も気を付けるべき障害

昨年、古島医師が小学生軟式野球の全国大会で約860人に肘のエコー検診を行ったところ、

興味深い結果が見られたという。

「障害の発症率は当然、投手、捕手が圧倒的に多いです。

ただ、内野外野は少ないとは言え、ゼロではない。

これも練習量が多ければなるんですね。

メディカルチェックをしてみると、投手と捕手を兼任している選手は、障害の既往率が約8割でした。

投手だけだと75パーセント、捕手だけだと72パーセント、内野外野だと55パーセントくらい。

全国大会に出るチームの選手たちは、このくらいの割合で故障しているんですね」

 

5,強豪校こそ知っておくべきデータ

野手でも5割を超える選手が、現在も肘を故障している、

もしくは過去に故障していた既往歴を持つという。

全国大会に出るチームは練習や試合を多くこなしているとはいえ、

大人は注意喚起を求められるデータではあるだろう。

 

6,知っておいて損はない知識

動画では古島医師が考える、肩肘に負担の少ない野手の練習方法についても語られている。

 

▼動画

投球制限って野手にも関係あるのでしょうか?【肘障害の実態】

▼引用先URL(Full-Count)

https://full-count.jp/2020/06/24/post811824/