日刊スポーツにエニタイムフィットネス Presents ベストコーチングアワード2019の受賞チームの記事が取り上げられました

「三つ星」ベストコーチ杉山氏に聞く最新理論練習法

昨年12月15日、小、中学生の野球チームを対象にした「ベストコーチングアワード」が発表された。

最新の理論、練習方法など時代にあった指導を行うチームを表彰するもので、世田谷区、大田区を中心に活動している学童軟式野球チーム「八幡イーグルス」が最高の三つ星に選ばれた。

高学年の監督を担当する杉山剛太氏(46)にチームのモットーや練習内容を聞いた。

杉山氏は「子供たちにとにかく野球を好きになってほしい」という。そのため指導者が選手の可能性を限定せず、さまざまな経験をさせて野球を好きになる指導を行う。

ポジションは3カ所以上守らせ、「やりたい」という選手は、練習で6割ストライクが入れば誰でも投手をさせる。

打撃では全員が対外試合、練習試合で年間30打席以上、打席に立つ。米国でマイナーリーガーに一定の打席数が与えられることをヒントにしたもので「小5の時に45打数無安打だった子が、使い続けていたら小6では打率が3割を超え、ホームランも2本。

やっぱり試合に出ることがすごく大事なんです」という。

慶応高-慶大と野球部でプレーし、長男のイーグルス入団と同時に12年から指導者となった杉山氏。原点には慶応伝統の「エンジョイ・ベースボール」がある。

「無理やり練習させられた記憶がない。水を飲むなとか鉄拳制裁もない。むしろ自分たちで考えて練習しろと。そういう楽しさがありました」。

ふざける「エンジョイ」ではなく、上達するために自分で考え、そこに楽しさを見いだす。

杉山氏は子供たちにも「自分で考えて動けるようになってほしい」と願っている。

新型コロナのまん延でチーム活動はできない状態。そんな中でも楽しむことはできる。

「チーム活動が出来ないからこそ『(野球ユーチューバーの)クーニンやトクサンの動画を見て、勉強しよう』という選手になってもらうことが大切です」。杉山氏がサポート指導者を務める中学生チーム「東京インディペンデンツ」ではビデオ会議アプリ「Zoom」を使った遠隔指導も行う。

「野球を好きになってもらう指導」で、今ではイーグルス卒団生の9割が中学でも野球を続ける。杉山氏は「私自身の“勝利”の定義は子供たちが中学や高校で続けてくれること。

そういう意味では目標を達成できていると思います」と笑顔を見せた。

【千葉修宏】

◆ベストコーチングアワード 元ロッテ荻野忠寛氏らが理事を務める一般社団法人スポーツメディカルコンプライアンス協会が主催。今回が初の開催で(1)メディカルとコンプライアンスに基づく指導(2)意識高く学び、情報をアップデートし続ける指導(3)将来の目標を考え、ケガを未然に防ぐ知識を持った指導、これらを行う指導者のいるチームを表彰した。三つ星は八幡イーグルスや、レイズ筒香嘉智外野手がスーパーバイザーを務める堺ビッグボーイズなど13チーム。

 

▼引用先URL(日刊スポーツ)

https://www.nikkansports.com/baseball/column/bankisha/news/202004030000009.html