怪我をするためにスポーツをするのか?

「スポーツに怪我は付き物」と言われますが、本当にそうでしょうか?

接触プレーによる故障などは、予防しかねるケースもあるかもしれませんが、
多くの怪我は未然に防げるケースが多いと考えます。
というのも、 アマチュアスポーツでも、プロスポーツでも、起こる怪我の多くは、 自身の「体のx軸y軸」の範囲を超えてしまい発症するケースがほとんどだからです。

「体のx軸y軸」とは何か?簡単にご説明します。

体のx軸y軸
X軸とは・・・その時点での体の強度
y軸とは・・・生まれてきてからの体の蓄積疲労・摩耗

怪我をしてしまう人たちは、x値y値が高まってしまい怪我となります。
言い換えると、怪我をしないためには、x値y値を高めなければいいわけです。

しかし、日本のスポーツの現場では x値y値を高めるトレーニングが多く組み込まれており、選手が怪我をしていくという悲しい状況です。怪我をするためにトレーニングしていると言っても過言ではありません。

更に、指導者は怪我の責任は選手自身に求めますが、ほとんどの場合はトレーニングメニューを組んでいる指導者の責任です。しかしその現実に気づいている指導者は少なく、あまりにも怪我に対して無頓着な状況です。

怪我をしてスポーツを辞めた人、怪我の痛みを我慢しながらスポーツを続けてきた人。そのような人は、皆さんの周りにも一人、二人といるでしょう。

「怪我もなく、小さいときからスポーツを続けてきた」という人はほとんどいないと思います。

当協会理事の荻野(元千葉ロッテマリーンズ 投手)が言っていました。
「結局、怪我をしない人が一番うまくなる」
心にスーッと落ちていく一言でした。

指導者は選手の成長のために一番考えなければいけないのは、
怪我をしないことです。練習をすればするほど、上手になる訳ではないです。
上手になるための大前提は怪我をしないことです。

下記、慶友整形外科病院・古島先生の興味深い記事です。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kikuchiyoshitaka/20180215-00081639/

「スポーツに怪我は付き物」という不名誉をスポーツ界全体で払拭しなければなりません。そのためには指導者のアップデートが必要です。

このような状況があるからこそ、
当協会では、メディカル&コンプライアンスを理解した指導者を育成する活動をしています。この活動が全国に伝播すれば幸いです。